【3分要約】話し方の戦略 千葉佳織

【3分要約】話し方の戦略 千葉佳織

October 13, 2024

ひとこと

人生を色濃く生きるために、個々人の小さな願いから大きな野望も含めて「目的を達成する」ために、わたしたちは話すのです。
「話す」ということに関してロジカルに言語化された本。少しでも話すことに関して苦手意識を持っていたり、向上させたいと思っている方にお勧めしたい。

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著者紹介

[著]千葉 佳織(ちば・かおり)
株式会社カエカ代表/スピーチライター
1994年生まれ、北海道札幌市出身。
15歳から日本語のスピーチ競技である「弁論」を始め、2011年から2014年までに内閣総理大臣賞椎尾弁匡記念杯全国高等学校弁論大会など3度の優勝経験を持つ。
慶應義塾大学卒業後、新卒でDeNAに入社。人事部にてスピーチライティング・トレーニング業務を立ち上げ、代表取締役のスピーチ執筆や登壇者の育成に携わる。
2019年、株式会社カエカを設立。AIによる話し方の課題分析とトレーナーによる指導を組み合わせた話し方トレーニングサービス「kaeka」の運営を行う。経営者や政治家、ビジネスパーソンを対象としてこれまで5,000名以上にトレーニングを提供している。2023年、週刊東洋経済「すごいベンチャー100」、Forbes「2024年注目の日本発スタートアップ100選」選出。本書が初の著書。

3分要約

話し方の戦略とは

  • 話し方改善は、闇雲にトレーニングするのではなく、 「話す目的」「対象者」「話し言葉」 の3つの原則を意識し、 自分にとっての優先順位 をつけて取り組むことが重要。
  • 話し方スキルは単なるテクニックではなく、 マインドを成長させるためのツール 。スキルを学ぶことを通じて、自信や共感力など、より良いコミュニケーションに必要なマインドを育むことができる。
  • 話すことは、プレゼンや会議など特別な場面だけでなく、日常のあらゆる場面で 「目的を達成する」ための手段 。個々人が抱く小さな願いから大きな野望まで、それを実現するために、私たちは話す。

3つの原則

  1. 目的: なぜ話すのか?目的を明確化することで、 聞き手に響くメッセージ を伝えることができる。目的が曖昧なままだと、話すことが作業化し、相手に伝わらない。目的は具体的でも抽象的でも良い。
  2. 対象者: 相手の知識・経験・立場などを考慮し、 言葉を受け取った後、相手がどう考えるか、どう行動するか を想像する。伝わらなかったとしても、相手のせいにせず、 自分の責任 として捉え、表現方法を工夫する。自分と相手、 双方にとって心地よいコミュニケーション を目指す。
  3. 話し言葉: 相手は一字一句覚えていない。一文を短くして理解を促す。準備は大事。準備した言葉が「準備したように聞こえる」のは、話し言葉としての技術不足。

言葉の戦略

  • 記憶に残りやすい コアメッセージ は、 20モーラ以内 を目安とする。
  • コアメッセージを作成する際は、まず 目的設定と対象者分析 を行う。
  • その中から、一番伝えたい コアメッセージを一つ に絞り込む。
  • コアメッセージが絞りきれない場合は、 目的が明確になっていない 可能性が高い。
  • 話の構成において、 論理の飛躍や主張のすり替え は、話し手の信頼を損なうため注意する。
  • ハサミメソッドを用いて、段落ごとに内容をカットし、紙を入れ替えながら 最適な構成 を探る。
  • 無意識にいつもの構成に頼るのではなく、 目的意識 を持って構成を組み立て、 自己選択 する。

ストーリー

  • 自分の経験談などを語る際は、単に弱みをさらけ出すだけでなく、 「決意」と「成果」 を合わせて語ることで、聞き手の共感を呼ぶ。
  • ストーリーを効果的に伝えるには、 時間軸、五感(視覚、聴覚など)、感情 などを意識して描写する。
  • ファクト(客観的な事実) に基づいた話に、 ストーリー(物語) を組み合わせることで、説得力と共感力を高める。
  • 例:データや統計などのファクトを提示し、それを裏付ける具体的なエピソードをストーリーとして語る。

発声・ジェスチャー

  • 音声(声の大きさ、高さ、速さなど)と動作(ジェスチャー、表情など)は、 自分が思っている以上にオーバー に表現する必要がある。
  • 聞き手には、自分が意識している3倍以上の表現でやっと普通に伝わる。
  • 抑揚 をつけるためには、 声の大小、スピード、高低、間の確保、フィラー(えー、あのー)の削減 などを意識する。
  • 沈黙を効果的に活用することで、聞き手の注意を引きつけ、言葉を印象づけることができる。
  • 大人数の前で話す場合は、句点の後に 2秒程度 の間を取る。
  • フィラーをなくすためには、まず自分が フィラーを使っていることを認識 することが重要。
  • 手の指は、 自分の目の高さ程度 まで上げるように意識する。